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2026.04.27
OEMとは?仕組み・メリット・EC販売での活用法を解説
インターネット上では最安値の商品が次々と検索結果に表示されます。価格だけで競争することの限界を感じている事業者も多いでしょう。そこで注目されているのが、OEM(他社への製造委託)を活用した自社ブランド商品の開発です。自社ブランドを持つことで価格競争から距離を置き、オンラインショップ限定商品など独自の販売戦略も取りやすくなります。一方で、OEM商品を扱い始めると在庫管理や通販サイトの運営などの業務が一気に増えるという新たな課題も生まれます。
本記事では、OEMの基本的な仕組みからメリット・デメリット、EC・小売事業者が自社ブランド商品の販売をするために押さえるべきポイントまでをわかりやすく解説します。
目次
OEMとは?基本的な意味と仕組みをわかりやすく解説
まずはOEMの基本的な定義と、混同されやすいODM・PBとの違いを整理します。
OEMとは「Original Equipment Manufacturing」の略で、ブランドを持つ企業が製造設備を持つ別の企業に対して、自社ブランド製品の製造を委託する仕組みです。委託する側は製品の企画・設計・販売に専念し、製造は受託企業が担います。製品に表示するブランドロゴは委託側のものになるため、消費者からは「そのブランドの商品」として認識されます。
OEMはEC・小売・商社など幅広い業種で最小限のコストで自社ブランドを持つことができる選択肢です。
OEMとODMの違い
OEMと混同されやすい言葉に「ODM(Original Design Manufacturing)」があります。両者の最大の違いは、製品の企画・設計を誰が主導するかです。
OEMでは、委託側(ブランドを持つ企業)が製品の企画・設計を行い、製造のみを受託企業に依頼します。一方、ODMでは製品の企画・設計から製造まで受託企業が一括して担い、委託側はブランドを乗せて販売するだけです。
自社のブランドコンセプトや品質基準を製品に反映させたい場合はOEM、開発コストや時間を抑えて素早く商品ラインナップを増やしたい場合はODMが向いています。どちらを選ぶかは、自社の強みとリソースに応じて判断することが重要です。
PB(プライベートブランド)はOEMの一形態
PB(Private Brand)とは、流通業者や小売業者が外部メーカーに製造を委託し、自社ブランドを冠して販売する商品を指します。スーパーやコンビニエンスストアのオリジナル商品がその代表例です。
PBも製造を外部に委託して自社ブランドで販売するという点でOEMの一形態に当たります。近年では大手流通業者だけでなく、中小の小売事業者やEC事業者もPB商品の展開に取り組むケースが増えており、OEMの活用範囲はさらに広がっています。
OEMが活用されている業界・商品の具体例
OEMは特定の業界に限らず、日常生活に身近な多くの商品で活用されています。業界ごとの具体例を確認することで、自社ビジネスへの応用イメージが広がります。
化粧品
美容サロンやドラッグストアのオリジナルブランド商品の多くがOEM製品です。製造設備を持たなくても、専門のOEMメーカーに委託することで独自処方の化粧品を自社ブランドとして販売できます。
アパレル
大手ブランドが海外の工場にOEMを委託するケースが一般的です。人件費や材料費を抑えながら、ブランドのデザインや品質基準を維持した製品を供給できます。
食品
コンビニエンスストアやスーパーのPB商品がOEMの典型例です。製造者と販売者が異なる商品は、パッケージ裏面の表記で確認できます。
自動車
異なるメーカーが同一の車両を自社ブランドで販売するOEM供給が広く行われています。基本スペックは共通でも、エンブレムや一部仕様が異なります。
これらの事例に共通するのは、「製造は外部に任せ、ブランド育成と販売に集中する」という考え方です。この発想は、EC・小売事業者が自社ブランドを展開する際にも応用できます。
OEMを委託する側のメリット・デメリット
OEMを活用するかどうかを判断するには、委託する側のメリットとデメリットを正確に把握する必要があります。実務に即した視点で整理いきます。
OEMの3つのメリット
1. 初期投資を抑えて自社ブランドを持てる
製造設備へ投資することなく、自社ブランド商品を市場投入することができます。スモールスタートで商品展開を試せる点が、特に中小規模事業者にとって大きな利点です。
2.企画・販売などのコア業務に集中できる
製造を外部に委託することで、商品企画・マーケティング・販売促進といった自社の強みを活かす業務にリソースを集中できます。
3.発注量を調整して在庫リスクを抑えられる
販売状況に応じて発注量を調整でき、過剰在庫や期限切れのリスクを低減し、需要に合わせた柔軟な発注が可能となります。
「発注点」を定めることで、在庫補充を適切に行うことができるようになります。「発注点」の決め方や管理方法は以下をご確認ください。

OEMの3つの注意点
1.自社に製造ノウハウが蓄積されない
製造を外部に委託し続けると、自社内に製造技術や品質管理のノウハウが育ちません。将来的に内製化や商品ラインの拡張を検討する場合は、OEMへの依存度を意識的にコントロールする必要があります。
2.受託企業が競合になるリスクがある
受託企業は製造を重ねるうちにノウハウを蓄積し、類似商品を自社ブランドで販売する可能性もあります。契約内容や取り扱い範囲を明確にすることが重要です。
3.発注計画と納期管理が複雑になる
委託先の生産能力による納期延長や、海外工場の大型連休なども考慮する必要があります。継続的な発注管理と在庫計画が求められます。
EC・小売事業者がOEMを始める際に見落としがちな「在庫・通販管理」の壁
OEM導入による業務の増加
自社ブランド商品を持つことは、価格競争から抜け出す有効な手段のひとつですが、在庫保管・入出庫管理・通販サイトへの在庫数反映・商品情報登録や更新といった業務がすべて自社の責任になります。
これまでメーカーや卸売業者が担っていた業務が一気に増えてしまいます。
販路別の差別化戦略
オンラインショップ限定商品をOEMで製造すれば、価格比較サイトに表示されない独自商品を持つことができ、最安値競争を避けることができます。しかし、流通商品とオンライン限定商品の在庫を混在させずに管理し、サイト上の在庫数をリアルタイムで反映させる仕組みが不可欠となります。在庫の実数とサイト表示がずれると、欠品や過剰在庫のリスクが生まれます。
OEM商品の「作る」工程だけでなく、「保管する・管理する・販売し続ける」という運営全体を見据えた体制づくりが、自社ブランド展開を成功させる鍵となります。
新しくOEM商品の在庫管理をする際には、下記の「在庫管理の基礎知識」を活用ください。欠品・品切れのリスクについても記載しています。
在庫管理の基礎知識 | 目的・やり方・システムのメリットなどを解説

OEM商品を自社ECで売り続けるために押さえるべき3つのポイント
OEMを活用した自社ブランド展開を長期的に成功させるには、製造委託の判断だけでなく、販売後の運営体制まで含めた準備が必要です。ここからは実務上の判断軸として3つのポイントを整理します。
1.在庫の「保管場所」と「管理方法」を最初に決める
OEM商品は製造リードタイムが長くなりやすく、追加発注から納品まで時間がかかります。そのため、適切な在庫量を維持するための保管場所と、入出庫を正確に把握できる管理の仕組みを最初に整えることが重要です。保管環境が整っていないと、商品の品質維持にも影響が出ます。
2.通販サイトの在庫数をリアルタイムに反映させる
在庫の実数とサイトの表示在庫がずれると、欠品による販売機会の損失や注文トラブルにつながります。
在庫管理システムと通販サイトを連携させ、在庫数がリアルタイムで反映される仕組みを構築することが、安定した販売を継続する条件となります。
通販商品の保管を行う「通販倉庫」の特徴に関しては以下のサイトをご確認ください。
通販倉庫とは?特徴や倉庫を選ぶ際のポイント、アウトソーシングするメリットなどを紹介

3.販路ごとに商品・在庫を分けて管理する
一般流通向けとオンラインショップ限定商品を分けて管理することで、在庫の混在や誤出荷を防ぎ、限定商品の希少性を維持することができます。
OEMは「作る」ことがゴールではなく、「売り続ける仕組みを整える」ことで初めてブランド価値が積み上がります。製造委託の検討と並行して、在庫・通販管理の体制づくりを進めることが、自社ブランド展開を長期的に成功させる近道です。
OEM商品の在庫管理から通販サイトの運営までTS-BASE シリーズがカバー
自社ブランド商品(OEM商品)の販売を検討されている事業者さまに向けて、TS-BASE シリーズでは在庫保管・倉庫管理から通販サイトへの在庫数反映・商品管理まで、一貫してサポートします。
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OEM商品の入庫・保管・出荷をセキュアな環境で代行。多品種小ロットにも対応します
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通販サイトの構築・運営代行から在庫管理システムとの連携まで、EC運営全体を伴走サポートします
「OEM商品を持ちたいが、在庫管理や通販運営の体制が整っていない」「オンラインショップ限定商品を展開したいが、管理が複雑になりそうで不安」といったお悩みは、まずはお気軽にご相談ください。
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