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2026.09.02

【2026年度最新】燃料サーチャージとは?佐川急便・西濃運輸・ヤマト運輸・日本郵便の対応状況と荷主への影響

【2026年度最新】燃料サーチャージとは?佐川急便・西濃運輸・ヤマト運輸・日本郵便の対応状況と荷主への影響

燃料サーチャージとは、燃料価格の上昇分を通常運賃と切り離して請求する制度です。

本記事では、燃料サーチャージの仕組みから、佐川急便・西濃運輸・ヤマト運輸・日本郵便それぞれの公式発表に基づく最新の対応状況と、その違いが生まれる背景、荷主企業が直面するコスト変動リスクとその備え方までを整理して解説します。複数の配送会社を利用する荷主企業が、自社の物流コスト管理に活かせる判断材料を得られる内容です。

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目次

燃料サーチャージとは何か

燃料サーチャージの定義と、通常運賃との違いを最初に整理し、記事全体の前提を共有します。


燃料サーチャージとは何ですか?

燃料サーチャージとは、燃料価格の上昇分を通常運賃と切り離し、別料金として請求する制度です。軽油や重油の市場価格は、原油相場や為替の影響を受けて短期間に変動します。一方で通常運賃は契約時点で固定される場合が多く、このままでは運送会社が価格変動リスクを一方的に負う構造になりやすいという課題がありました。

全日本トラック協会のガイドラインでは、荷主が取引上優越した地位を利用し、燃料費上昇分を反映しない著しく低い運賃を一方的に定める行為は、独占禁止法や下請法上の「買いたたき」に該当するおそれがあると整理されています。そのうえで、コスト増加分は荷主・元請事業者・下請事業者がパートナーシップのもとで適切に分担すべきだとし、燃料サーチャージの導入を促しています。

参考:全日本トラック協会「トラック運送業における下請・荷主適正取引推進ガイドライン」 
https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2020/12/genyu_kotosochi2.pdf


燃料サーチャージと基本運賃の違い

燃料サーチャージと基本運賃は請求書上の見え方だけでなく、金額の固定制か変動制かという点でも異なります。


基本運賃は、輸送距離や重量、荷姿などをもとに契約時に取り決める、輸送サービス自体の対価です。一定期間は金額が固定され、需給や市況の影響を直接受けません。一方、燃料サーチャージは軽油価格などの基準値からの上昇分に応じて、月単位や四半期単位で見直される変動費です。請求書では基本運賃とは別の項目として明記されるため、燃料費がコストに占める割合を荷主側が把握しやすくなります。物流・配送コストの内訳を可視化する観点からも、基本運賃と燃料サーチャージを区別して管理することが重要と考えられています。

配送料を含む物流コストについては以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。

物流コストとは?主なコストの内訳や上昇原因、削減方法


物流コストとは?主なコストの内訳や上昇原因、削減方法

物流コストとは具体的に何を指すのか、一般的なコストの内訳などとあわせてご紹介。さらに、物流コストが上昇する原因や、 物流コスト削減のための実践的な方法についても解説します。

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配送会社4社の燃料サーチャージへの対応を比較する

佐川急便・西濃運輸・ヤマト運輸・日本郵便の対応は一様ではありません。各社の公式発表を基準に整理すると3つのグループに分かれます。


▼配送各社の燃料サーチャージへの対応状況(2026年8月時点)


会社名

グループ1

燃料サーチャージ導入済み

西濃運輸

グループ2

法人向け宅配で燃料サーチャージ導入検討中

ヤマト運輸・佐川郵便

グループ3

燃料サーチャージは導入せず基本運賃の改定

日本郵便

※料率や改定額は変動するため、詳細は各社公式サイトの最新発表を確認してください


グループ1|燃料サーチャージ導入済み[西濃運輸(カンガルー便)]

路線便を主力とする西濃運輸は、他社に先駆けて燃料サーチャージを長年運用してきました。

西濃運輸は2012年の公式発表で燃料サーチャージの導入を明らかにし、軽油価格の上昇額に応じて運賃を段階的に改定する仕組みを採用しています。基準となる軽油価格帯を設定し、一定期間ごとの平均価格が定めた額を超えて上昇した場合に運賃を改定する「段階的スライド制」を採用しており、直近でも料金改定の案内を継続的に発信しています。路線便を中心とした特積み事業者では、燃料サーチャージがすでに実務として定着しています。

参考:西濃運輸「燃料サーチャージの導入について」 https://www.seino.co.jp/seino/news/stc/2012/0314-772.htm

西濃運輸「燃料サーチャージ料金改定の案内」 https://www.seino.co.jp/seino/mail2/branch/999_25092608412639.pdf



グループ2|法人向け宅配で導入検討中[ヤマト運輸・佐川急便]

ヤマト運輸・佐川急便の配送会社大手2社は、2026年に入り相次いで燃料サーチャージの導入検討を公表しました。

ヤマトホールディングスは2026年4月30日の決算会見で、中東情勢の悪化に伴う原油高への対応として、法人向け宅急便運賃への燃料サーチャージ導入を検討すると発表しました。個人向けの宅急便は対象外とし、2026年度中に開始する可能性にも言及しています。

続いて佐川急便を傘下に持つSGホールディングスも、法人向け宅配運賃への燃料サーチャージ導入検討を明らかにしました。導入時期や対象となる顧客については、いずれも2026年8月段階で未定です。両社に共通するのは、個人向けサービスではなく法人向け契約を対象としている点です。

参考:ヤマトホールディングス「決算説明会資料(2026年3月期)」 
https://www.yamato-hd.co.jp/investors/library/briefing/2026.html

SGホールディングス「決算説明会資料一覧」
https://www.sg-hldgs.co.jp/ir/library/presentation/


グループ3|基本運賃の改定[日本郵便]

日本郵便は燃料サーチャージではなく、基本運賃そのものの改定によってコスト増に対応する方針を示しています。

日本郵政の根岸一行社長は2026年3月25日の記者会見で、ガソリン価格が1リットルあたり10円上昇すると燃料費が10億円弱増加すると説明したうえで、現時点の影響は限定的だとしつつ、原油高が長期化した場合は価格転嫁を想定していると述べました。そのうえで日本郵便は2026年7月3日、諸物価や人件費の上昇を理由に、ゆうパックおよびゆうパケットの基本運賃を2026年10月1日から平均約10%改定すると公式発表しました。燃料費のみを切り出すサーチャージではなく、コスト全般を反映した運賃改定を採用している点が、他の3社との違いです。

 参考:日本郵便「ゆうパックおよびゆうパケットの基本運賃などの改定」 https://www.post.japanpost.jp/newsrelease/pressrelease/26283434137.html 

日本郵政・根岸社長の会見発言に関する報道 
https://online.logi-biz.com/141894/



なぜ今、大手各社が足並みを揃えて動いているのか



各社の対応方式は異なるものの、背景にある構造的な要因は共通しています。

2026年に入り複数の大手配送会社が相次いでコスト転嫁の検討を公表した背景には、原油価格の高騰と円安の進行が重なったことがあります。軽油や燃料は米ドル建てで取引されるため、中東情勢の悪化による原油高と為替変動が同時に進行すると、円換算での燃料調達コストが急激に膨らみます。全日本トラック協会の試算では、軽油価格が1円上昇するだけで、業界全体で年間約50億円の負担増になるとされ、通常運賃の見直しだけでは吸収しきれない規模のコスト増が生じています。

参考:全日本トラック協会「燃料サーチャージへのご理解をお願いいたします」 
https://jta.or.jp/lp/surcharge2022/


燃料のコスト高に加えて、いわゆる物流の2024年問題によるドライバーの時間外労働規制や人件費上昇も重なり、運送各社の収益構造は複数の要因から同時に圧迫されています。

西濃運輸のように早期から燃料サーチャージ制度を運用してきた事業者がある一方、大手配送会社が2026年になって初めて検討を表明した背景には、法人向け契約の見直しタイミングや荷主との交渉環境が影響していると考えられます。したがって、今回の一連の動きは一時的な値上げではなく、燃料価格変動リスクを継続的に運賃へ反映する構造への転換点として捉える必要があります。

人件費高騰の要因である2024年問題については以下の記事でさらに詳しく記述しています。


2024年問題とは?物流・運送業界に及ぼす影響や解消するための方法


2024年問題とは?物流・運送業界に及ぼす影響や解消するための方法

働き方改革関連法で、2024年4月1日以降の自動車運転業務について「年間時間外労働時間の上限が960時間」と制限されることが決定されています。この法律は物流・運送業界に及ぼす影響は大きく、「2024年問題」と呼ばれています。本記事では、2024年問題とはどのようなものか、概要を解説します。

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―燃料サーチャージが荷主にもたらす影響と、今からできる備え

ここからは荷主企業にとっての実務的な影響を整理し、複数の配送会社を使い分けている企業ほど押さえておきたい視点をまとめます。

配送会社に燃料サーチャージが本格導入されると、荷主企業には主に3つの影響が及びます。


  • 配送会社ごとに改定時期や算出基準が異なるため、月々の物流費が予測しにくくなる
  • 複数の配送会社を併用している場合、請求内容の突合や検証にかかる管理負担が増える
  • 燃料サーチャージが商品原価や販売価格に転嫁され、事業の採算性に影響する場合がある


私たちが物流の現場で日々向き合っているのは、こうしたコスト変動そのものよりも、複数の配送会社を横断してコストと出荷状況を可視化できていない、という管理体制の課題です。配送会社ごとに請求書のフォーマットや改定タイミングが異なる状況で、荷主企業が自社の物流費全体を正確に把握するには、出荷実績や配送先、利用する配送会社を一元的に管理できる仕組みが欠かせません。


【物流用語】荷主(にぬし)とは?役割や責任を解説


【物流用語】荷主(にぬし)とは?役割や責任を解説

物流業界において、荷主は重要な役割を担う人物です。荷主はその名の通り「荷物の主」を意味しますが、具体的にどのような立場の人を指し、そのような責任を担っているのでしょうか。この記事では、物流用語の荷主について詳しく解説します。

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燃料サーチャージの動向を踏まえ、荷主は物流コストとどう向き合うべきか

燃料費高騰・物価高騰の波を受け、主要配送会社が燃料サーチャージ制度などについてそれぞれの見解を示している今、荷主企業に必要なのは、特定の配送会社の動向を待つことではなく、複数の配送会社を比較しながら自社の物流費構造を可視化しておくことです。

まずは自社が利用する配送会社の対応方針を確認し、出荷実績や配送先データを整理するところから始めましょう。

TS-BASE 受発注では、各社の送り状発行システムと連携し出荷データの作成が可能です。配送会社の変更、個口の集約なども画面上で設定が可能です。自社倉庫でも活用しているため、物流のトレンドを抑えた機能改修も行っています。燃料サーチャージに合わせて出荷指示方法の見直しをしたい場合、ぜひお声がけください。

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