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2023.11.07

物流業界が抱える課題を解決するDX化の事例

物流業界が抱える課題を解決するDX化の事例

目次

物流DX(デジタルトランスフォーメーション)は、現代のビジネスにおいて不可欠な要素となっています。しかし、物流DXを実現するには多くの課題が立ちはだかります。

本記事では、物流DX課題とその解決策を紹介します。物流DXを通じてビジネスを効率化するためのヒントを見つけましょう。

物流業界の現状と課題

まずは、物流業界の現状と課題について見ていきましょう。

国土交通省が発表している「令和3年度 宅配便取扱実績」によると宅配便取扱個数は、前年度に比べて約2.4%増加しています。またその中で、トラック運送がほとんどの割合を占めていることがわかります。

近年ではコロナ禍の影響で、EC市場の拡大・個人によるネットショッピングの需要が急増。その結果、宅配便の取り扱い個数が増加している状況です。さらに、物流業界では人手不足が深刻化しており、配送料金の値上げが続くなど、物流業界における課題が顕在化しています。

出典:令和3年度 宅配便取扱実績について|国土交通省

ここからは、物流業界が抱える課題を大きく4つに分けて紹介します。

  • 人手不足
  • 労働環境悪化
  • 管理の複雑化
  • 2024年問題

物流業界の課題については、こちらの記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
物流業界が抱えている課題とは何か?現状と対策も詳しく紹介

人手不足

先述のとおり、物流業界では人材不足が深刻な課題となっています。
インターネット通販の普及により、GWや年末年始などの連休に宅配需要が急増することが増えてきており、十分な人材を確保するのが難しくなってきているのです。

また、新型コロナウイルスが流行して以降、自宅で過ごす人が増えたため宅配需要も増加。このような環境下では物流が重要な役割を果たしましたが、同時に物流業界の人材不足が更に深刻化しました。

少子高齢化も物流業界に影響を与えています。ドライバーが高齢化し、若い人材の確保が難しい状況が続いているのです。

労働環境の悪化

労働環境の悪化も物流業界が抱える大きな課題の一つ。

個人宛の宅急便やCtoCマーケットの普及により、小口配送が増えています。そのため物流業界の社会的なニーズは高まっていますが、通常量だけでもドライバーやカスタマーサポートセンターは忙しい上に、配送の増加でキャパオーバーになってしまうケースが散見されるようになっています。

また配送業者は再配達にも対応しており、配達先が不在の場合、何度も訪問する必要が出てきます。これも多忙に拍車をかける要因の一つです。

このような物流業界における労働環境悪化は、業界の発展にマイナスの影響を及ぼしています。

管理の複雑化

物流業界では小口配送が増えたことで、倉庫での在庫数確認など、商品管理業務が複雑化してきています。

また、配送スピードは年々迅速化しており、物流業界では倉庫内での商品のピッキングや流通加工、出荷作業に素早くかつ正確に対応しなければなりません。

さらに顧客は在庫や出荷状況についてのリアルタイムの情報を求めています。これに応えるため、高度なデータ管理と共有が必要なことも商品管理の複雑さが増している原因の一つです。

2024年問題

働き方改革関連法で、2024年4月1日以降自動車運転業務について「年間時間外労働時間の上限が960時間」と制限されることが決定。違反した場合の罰則も設けられています。

このため、物流業者の売上・利益が減少する可能性や、ドライバーの収入減少などの問題が発生すると不安視されているのです。

物流DXの重要性

ここまでに紹介してきた物流業界の現状と課題を踏まえ、なぜ物流DXが重要なのか、その理由を解説します。

効率の向上とコスト削減

DXにより、物流プロセスの自動化や効率化が可能となります。これにより、作業の手間を軽減し、作業時間を短縮できます。その結果、全体の効率が向上し、コストの削減が期待できます。

リアルタイムな可視性とトレーサビリティ

DXは、物流ネットワーク全体におけるリアルタイムな可視性を提供します。これにより、在庫や商品の移動状況、配送スケジュールなどが把握しやすくなり、トレーサビリティも向上します。

顧客体験の向上

DXは、注文から商品の配送までのプロセスをスムーズにし、顧客体験を向上させることができます。迅速な配送や正確な情報提供は、お客様にとって良い印象を与え、競争優位性を築く手助けとなります。

データ分析による意思決定の強化

DXは膨大なデータを生成し、これを活用することで戦略的な意思決定が可能です。過去のトレンドや将来の需要予測を分析し、リアルタイムで市場の変動に対応することができます。

継続的な革新と適応力の向上

DXを進めることで、物流企業は変化する環境に迅速に適応できる柔軟性を身につけます。テクノロジーの進化に敏感であり、新しいアイディアや技術を積極的に導入する姿勢が重要です。

サプライチェーン全体の最適化

サプライチェーン全体を通してDXを進めることで、より最適な結果を生み出すことができます。サプライヤー、製造業者、物流企業、小売業者などがシームレスに連携することで、全体最適化が可能です。

環境への貢献

DXによる作業の効率化により、輸送や在庫管理などのプロセスを最適化し、環境への影響を軽減することが期待できます。具体的には、省資源的な手法の導入やエネルギーの効率的な利用などが挙げられます。

物流業界が抱える課題を解決するDXの事例

物流業界において、DXが課題解決に寄与した事例があります。以下はその一例です。

リアルタイムな在庫管理と効率的な補充

在庫管理は、適切なタイミングでの補充と正確な在庫情報の維持が難しいという課題がありました。 この課題に対し、 IoT(Internet of Things)センサーやRFID(Radio-Frequency Identification)技術を活用することで、倉庫内の商品やパレットのリアルタイムなトラッキングを行うことで在庫レベルの正確な把握が可能になり、必要に応じて効率的な補充が実現可能です。

予測分析による需要予測の向上

従来の物流業界は適切な需要予測が難しく、在庫不足や過剰な在庫が発生しやすい状況がありました。 これに対し、ビッグデータと機械学習を駆使した予測分析システムを導入することで過去のデータや市場の動向を元に需要の予測を行い、リアルタイムに変動への対応が可能になります。

自動運転技術による輸送の最適化

運送効率の向上とドライバー不足の課題に対しては、自動運転技術の導入でトラックや配送用の無人機を活用し、長距離輸送や倉庫からの最終配送を自動化。物流効率を向上させることで解決する事例が海外を中心に見られます。

ブロックチェーンによるサプライチェーンの透明性向上

これまでの物流業界では、サプライチェーン全体の透明性が不足し、信頼性の低い情報が流通していました。 この課題に対しブロックチェーン技術を用いてサプライチェーンのトランザクション履歴を透明かつ不変な形で記録することで、製品の流れを正確に追跡。信頼性の高いデータを確保できるようになってきています。

クラウドベースのWMS(Warehouse Management System)の導入

伸縮性が不足している旧式のWMS(倉庫管理システム)が、急激な業務拡大に対応できないという課題の解決に対してもDX化が役立ちます。例えば、 クラウドベースのWMSの導入によりスケーラビリティが向上し、業務の変動に迅速に対応でき、リアルタイムなデータアクセスが可能になります。

競争力向上のためにも物流DXは不可欠

物流DXはビジネスにとって不可欠な要素であり、物流における課題を克服することは競争力を維持する上で非常に重要です。この記事が、物流DXの課題に対する理解を深め、成功に向けたステップを踏む手助けとなれば幸いです。

「物流業界が抱える課題を解決するDXの事例」の項目で紹介した「クラウドベースのWMS(Warehouse Management System)の導入」に関して、竹田印刷が提供する「TS-BASE 受発注」はまさに、倉庫管理の機能を備えたクラウドベースのシステム。倉庫管理だけではなく、受注側の機能も持ち合わせているため、システム内で作成された受注データをそのまま出荷データとして利用できます。その結果、データの作成ミスなどが原因で発生する在庫差異なども少なくなるというメリットがあります。

竹田印刷は自社で物流センターを2拠点(2023年10月時点)運営しているためシステムも現場目線で構築している点が特徴です。導入しやすく、貴社のDX化にも貢献するでしょう。

詳細は以下の資料よりご覧ください。
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