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2023.06.02

物流倉庫が担う役割とは?種類や業務、委託するメリットを紹介

物流倉庫が担う役割とは?種類や業務、委託するメリットを紹介

物流倉庫は現在、保管場所としての機能だけでなく、顧客ニーズに合わせたさまざまな機能を持ち合わせています。

この記事では、物流を支える物流倉庫とは一体何なのか、その役割や種類、業務を委託するメリットや注意点などを解説。

物流受託で働く方や物流の基本を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

物流倉庫とは?

一昔前までの物流倉庫は、それぞれの会社が自社倉庫を持ち、用途は単に原材料や製品を保管する場所としてのみ機能していました。

しかし現在では、物流業務のノウハウが豊富な物流企業にアウトソーシング(外注)するのが一般化しました。

また現在の物流倉庫は、通常の保管業務に加えて、原材料の加工や商品のパッケージ化などのサービスも提供し、あらゆる顧客ニーズを満たすように進化しています。

近年はテクノロジーの発達やEC市場の拡大に伴い、倉庫業務の効率化・高度化も叫ばれる中、物流における物流倉庫の価値はより高まっているのです。

以下では、物流倉庫の基本知識として2つの内容を解説します。

  • 物流倉庫の役割
  • 物流倉庫と物流センターの違い

物流倉庫の役割

現在の物流倉庫には、物流を円滑に進めるためにさまざまな役割を有しています。

おもな役割としては、以下の通りです。

  • 商品の保管:商品の性質に合わせた保管・需要が発生した際の速やかな出荷
  • 在庫管理:在庫数・商品の状態・引当などの管理
  • 品質管理:入出荷時の検品・検品作業のシステム化など
  • 商品の梱包:商品の保護・商品管理の利便性向上など
  • 流通加工:顧客ニーズに合わせた商品の加工

そのほか、盗難防止や輸配送計画の立案などにおいても物流倉庫が担う役割は大きいです。

物流倉庫と物流センターの違い

物流倉庫は、基本的には保管場所としての機能のみを持つ施設です。

そして物流センターとは、おもに物流受託を行う企業が持つ物流倉庫で、保管だけでなく梱包や流通加工などの複数機能を有する物流倉庫を表します。

ただし前述した通り、現在の物流倉庫はさまざまな機能を有しているのが一般的。

そのため、物流倉庫と物流センターを同じ意味合いで使うことも多く、両者の垣根は徐々に無くなってきていると考えられます。

物流倉庫の種類

現在の物流倉庫には、以下の4つの種類が存在します。

  • 通過型
  • 在庫型
  • 流通加工型
  • 複合型

通過型

通過型の物流倉庫は、中継地点としての機能だけを持ち、保管を行わないのが特徴。トランスファーセンター(TC)とも呼ばれています。

TCの役割は、貨物の仕分け、輸送機器から別の輸送機器への貨物の積替え(クロスドッキング)、一括出荷などです。

貨物の出入りが激しいので、スピーディで効率的な作業が求められるでしょう。

全国に店舗があるコンビニ・スーパーマーケット・家電量販店などで、拠点別や店舗別などに積替えをする目的で広く活用されています。

在庫型

在庫型の物流倉庫は、保管・仕分け・店舗出荷などを担うのが特徴。ディストリビューションセンター(DC)とも呼ばれています。

DCの役割は、商品を一時的に保管しておき、地域別や店舗別に仕分けして出荷することです。

保管に伴い、広大なスペースの確保、商品に合わせた保管設備や荷役機器が必要です。

流通加工型

流通加工型の物流倉庫は、商品の流通加工に対応した高度な設備を持つ倉庫。準工場やプロセスディストリビューションセンター(PDC)とも呼ばれています。

PDCの役割は取り扱う商品によってさまざま。具体的には、部品の組み立て・生鮮食品の加工・金属へのエンボス加工・ラベリングなどです。

生鮮品を扱うスーパーや部品点数の多い自動車やパソコンなどを扱うメーカーなどで、広く活用されています。

複合型

複合型の物流倉庫は、これら3つの機能を併せ持つ倉庫で、フルフィルメントセンター(FC)と呼ばれています。

FCの活用により、受注・入庫・保管・流通加工・出荷などを一元管理できます。

特に、EC事業を行う企業にとっては、必要な業務を一拠点で完結できるという点で魅力的です。

顧客ニーズの多様化・複雑化が見られる現在の物流業界において、大規模で高度な機能を持つFCへの需要は拡大していくでしょう。

物流倉庫の種類別に、それぞれの機能や役割を詳しく紹介しています。


物流倉庫の種類を解説!メリットや注意点も詳しく紹介

物流倉庫には、さまざまな種類があるため、自社の用途に合った倉庫を選択することが重要です。今回の記事では、物流倉庫の種類と業務、活用するメリットと注意点を紹介していきます。

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物流倉庫業務を委託するメリット

現在は自社で倉庫を持つよりも、物流企業に倉庫業務を委託するケースが増えています。

そこで本章では、物流倉庫業務を委託するメリットを3つ紹介します。

  • コスト削減
  • リソースの削減
  • 生産性の向上

コスト削減

メリットの1つ目は、コスト削減につながることです。

自社で倉庫を建設する場合、設備投資や運営にかかる費用が膨大、物流業務を担う人材の確保など、想定以上にコストがかかることも。

一方で、物流倉庫を活用し業務を委託することで、物流企業の専門的な知識に基づいた効率的な物流を構築できるので、経費削減につながりやすいです。

ただし、物流倉庫の立地・規模・契約内容などによっては、自社倉庫のコストと大差ない場合も。そのため、選定には慎重な判断が必要でしょう。

リソースの削減

メリットの2つ目は、リソースの削減につながることです。

システム化・自動化が進んでいるとはいえ、倉庫業務には大量の人材が必要になります。

物流の需要は拡大する一方で、業界イメージや少子高齢化による労働人口の減少による担い手不足で、労働力の確保もこれまで以上に難しくなるでしょう。

しかし物流倉庫を導入すれば、これまで物流業務に割いた人的リソースを削減できます。

これにより、商品企画・営業・人材開発など、自社のコア業務にリソースを回せるでしょう。

生産性の向上

メリットの3つ目は、生産性の向上です。

物流倉庫が持つ知見やノウハウを活用し、自社で抱えていた物流課題を解決に導いてくれるでしょう。また在庫管理や輸配送管理のシステム化も行き届いています。

これにより、物流に関わる業務を一元管理し、生産性の向上につながるでしょう。

物流倉庫業務を委託する際の注意点

物流倉庫業務を導入するメリットは多い反面、デメリットも存在します。

委託する際の注意点を挙げると、以下の通りです。

  • 委託内容によっては管理料が想定以上にかかることも
  • アウトソーシングによる維持管理コストの変動
  • 情報共有を効率化しないと情報伝達が遅れる
  • 自社で物流ノウハウが育たない
  • 複数拠点がないとリスク分散が難しいことも
  • 契約内容を十分に確認しないとトラブルにつながりやすい

このように、懸念点も少なくありません。自社倉庫がよいのか物流倉庫業務を委託するのか、総合的に見て判断する必要があります。

物流倉庫でのおもな業務

ここでは、物流倉庫でのおもな業務・サービスを3つ紹介します。

  • 入庫・検品
  • 荷役
  • 梱包・流通加工

入庫・検品

入庫作業は、預かった商品を保管場所へ移動させること。検品作業は、商品に破損やキズなどの異常がないか検査することです。

荷役

荷役は、物流倉庫内の商品を移動させる際に発生する作業の総称。具体的には、積卸し・ピッキング・仕分けなどの作業があります。

積卸しは輸送機器への積込みや取卸し、ピッキングは保管場所から商品を取り出す作業、仕分けは商品を品目別・店舗別などルールに則って仕分ける作業のこと。

荷役の役割や、安全に作業を行うための対策についても解説しています。


物流の荷役(にやく)とは?作業内容や必要な安全対策について解説

物流工程の中心である荷役(にやく)には、積卸しや入庫、仕分けなどのさまざまな作業があります。これから物流にかかわる人や荷役に携わる人は、各作業内容に加えて必要な安全対策をしっかりと把握し、安全にミスなく作業を行えるようにしましょう。この記事では、荷役の具体的な作業内容や用いる機械、さらに荷役を行う上で重要な安全対策について解説します。物流における荷役とは物流における荷役(にやく)とは、運搬や保管をする物の取り扱いに関する作業の総称のことです。倉庫や工場など陸上で行われる「陸上荷役」と、港や埠頭で行われる「湾岸荷役」の2種類があります。荷役にはさまざまな作業があります。ここでは、陸上荷役の主な作業内容を紹介します。積卸し・積み下ろし車両や鉄道、飛行機などで輸送された荷物を下ろす作業です。なお、船舶ではコンテナへ荷物を積み込む作業を「バンニング」、荷物を取り出す作業を「デバンニング」といいます。運搬倉庫内や拠点間などで荷物を移動させる作業です。人力で行う方法の他、運搬機や巻き上げ機(ウインチ)を用いることもあります。積付け効率的な運搬や保管を目的として、荷物を整列し、積み上げる作業です。また、パレットに荷物を積み上げる作業を「パレタイズ」、積み下ろす作業を「デパレタイズ」と呼びます。入庫倉庫などの物流拠点に荷物を運び入れる作業です。似た言葉である「入荷」は、商品などが出荷元から受け入れ先の倉庫に到着することを指します。このため、入荷は入庫の前段階の作業といえます。格納入庫した荷物をパレットやラックなどを用いて指定の場所に保管する作業です。保管場所はWMS(倉庫管理システム)などで管理するのが一般的です。仕分け荷物を種類や形状、出荷先などの基準に従って分類する作業です。ピッキング倉庫などに保管している荷物について、必要なものを必要な数量だけ取り出す作業です。ピッキングは、対象となる商品の品番や数量が記載された出荷指示書(ピッキングリスト)を参照しながら実施します。荷揃え出荷準備として、荷物を積載する車両や運搬する方向・エリアなどのカテゴリ別に集める作業です。出庫保管場所から荷物を運び出す作業です。荷役作業で用いる機械輸送や保管の対象となる荷物の中には、人の力では動かすことができない形状や重量のものも多いため、荷役は機械を用いて行うのが一般的です。荷役作業で用いる機械(荷役機械)としては、保管や運搬、仕分けなどの作業をサポートする「マテリアルハンドリング(マテハン)機器」が一般的です。主な機械を紹介しましょう。荷役機械詳細フォークリフト車体の前面下部にあるツメを貨物の下部やパレットに差し込み、持ち上げて運搬する機器。重量のある荷物を運んだり、高所に積まれた荷物を下ろしたりするのに使われる。最近では無人のフォークリフトも登場している。コンベア回転するベルトやローラーの上に荷物を流すことで、人の手を使わずに荷物を輸送できる装置。ベルトコンベアで流れてくる部品を加工・組み立てるなど、製造現場でよく用いられる。移動ラック電動式の台車上に設置されたパレットラックを台車単位で動かせる移動棚。入出庫作業の効率化に役立つ。ピッキングシステムピッキング作業のサポートシステム。ラックに表示器を取り付けておくことで、指示に従って商品を自動で取り出したり、作業者に対象物の場所を知らせてくれたりする。ソーター荷物や物を出荷先や品目、形状などによって自動で仕分ける機器。短時間で大量の仕分け作業を可能とする。荷役作業に重要な安全対策重い荷物や重機を取り扱うことが多い荷役では、安全対策が特に重要です。ここからは、荷役の安全対策の3つのポイントについて解説します。現場の管理・監督を担当する方は、今一度、自社の作業現場における安全対策が十分であるかを確認しましょう。マニュアルの作成と安全指導荷役における墜落や転落、荷崩れなどの事故の防止には、作業にかかわる関係者一人ひとりの高い安全意識と、組織全体の安全対策が欠かせません。自社社員のみならず、外注業者を含む現場で作業する全ての人に向けた安全マニュアルを作成し、それに基づいた安全指導を実施しましょう。作業者の中には、安全マニュアルの内容を理解していても、つい癖や忙しさからマニュアルとは異なる行動を取る人がいるかもしれません。監督者は現場を定期的に視察し、また現場作業員の声を聞きながら、事故の防止に努めましょう。厚生労働省では「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」を作成しています。ぜひあわせて参考にしてください。荷役5大災害対策の徹底厚生労働省では、死亡災害の約8割を占める以下の荷役5大災害の防止を目的としたチェックリストを作成しています。墜落・転落荷崩れフォークリフト使用時の事故無人暴走後退時の事故参照:厚生労働省「陸上貨物運送事業における荷役災害等を防止するための留意事項」現場の作業者に、実際に起きた事故の事例とその原因を周知することも重要です。「日々の作業にどのような危険が潜んでいるのか」「なぜマニュアル通りに作業を行わなければいけないのか」などを理解するだけで、現場の安全意識はぐっと高まります。危険予知活動(KY活動)とリスクアセスメント危険予知活動(KY活動)とは、現場での作業を始める前に危険要因を見つけ出し、特に重点として実施する安全対策を決定し、確実に実施するものです。 危機予知活動の実施に先立っては、危機予知訓練(KYT)を実施します。危機予知訓練とは、作業を想定したイラストシート等をもとに、その作業に伴う危険要因を見つけ出し、必要な対策等を検討するものです。危険感受性の向上と危険予知活動の実施方法を学ぶことが目的です。リスクアセスメントとは、職場にあるリスクとそれらへの対策の実情を把握し、災害が発生しにくい職場を作ることを目的とした取り組みです。リスクアセスメントは、職場の全員が参加し、おおむね以下の手順で実施します。労働者の就業に係る危険性又は有害性の特定特定された危険性又は有害性ごとのリスクの見積り見積りに基づくリスクを低減するための優先度の設定リスクアセスメントとリスク低減措置の記録リスク低減措置の検討及び実施リスクアセスメントを実施することで、職場にあるリスクをそこで働く人全員が明確に意識できるなどの効果があります。危機予知活動とリスクアセスメントの詳細については、厚生労働省の「荷役作業時における墜落・転落災害防止のための安全マニュアル」をご確認ください。物流の荷役作業は安全対策と効率化が重要物流において、荷役の効率性は全体の業務効率に直結します。よりスムーズに、ミスなく作業を進めることが現場には求められる一方、事故を防ぐための安全対策も欠かせません。作業マニュアルや安全マニュアルを整備し、現場で働く一人ひとりが高い安全意識を持って日々の作業にあたれるようにしましょう。一方で、積卸しから出荷まで作業が多岐に渡る荷役の業務フローの見直しや安全対策の強化は容易ではありません。「社内のノウハウやリソースでは対応しきれない」「何から着手すればよいかわからない」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ「TS-BASE 物流」を提供する竹田印刷にご相談ください。TS-BASE 物流とは|TS-BASETS-BASE 物流のソリューションやサービスの特徴、主な機能、ご利用の流れ、料金プランなどをご紹介しています。ts-base.net「TS-BASE 物流」は受発注から納品までの7つのサービス(在庫保管・荷役・流通加工・梱包・輸配送・コールセンター・システム提供)をカスタマイズしてご利用いただける、物流ソリューションです。サービスを提供する竹田印刷は、自社で倉庫拠点を2箇所運営しています。その拠点で日頃から物流業務に携わっている専任担当者が、荷役をはじめとしたお客様の物流業務をトータルサポートします。導入にあたっては、運用年数10年以上、取引実績300件以上のノウハウを持つ竹田印刷の担当者が、課題や要望をヒアリングの上、最適なプランをご提案いたします。物流業務全体の品質向上やコスト削減など、お気軽にご相談ください。

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梱包・流通加工

梱包作業は、個々の商品に合わせて包装加工を施すこと。

流通加工は、部品の組み立て・値札付け・詰め合わせ加工など、各店舗で販売できる形に加工する作業です。

大量の商品を梱包・流通加工する際は、専用機械で自動化していることがほとんど。複雑な作業に関しては、従業員が個別に対応することもあります。

物流業務の基礎知識から効率化の手法まで幅広くご紹介しています。ぜひお役立てください。


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